*恋の味[上]*【完】
「あっ、亜美先いってて?」
アカリと一緒にいた子、亜美は気まずそうな笑顔をみせながら他の人のところへいった。
「で、桜野さん……もう、めんどくさいから真麻でいいや!……真麻、何かあった?」
人ゴミから離れ、裏庭にきた。
「ふっ……クッ………」
涙が止まらない私を見て、困った表情をみせるアカリ。
「……落ち着いたらでいいよ」
アカリは優しかった。変なふうに思ってた自分が恥ずかしい。
……―――数分後……
おちついた私は話し始めた。
由良が貧血になったとこから全部……。
「……つまり、暁くんが松川さんに飲み物をあげたことに不満を持ったってこと?」
「………多分」
クスクスと笑うアカリ。
次第には、ギャハハになっていた。
「簡単じゃない!真麻って純粋なのねぇ」
簡単……?
「それは……恋よ!」
恋……こい………コイ……春よこい………恋ぃぃぃ?
「恋って、あの「スキ」みたいな?あの?」
「それ以外になにがあんの?」
笑いを止めないアカリ。
私の初恋が………あの王子だなんて……。