*恋の味[上]*【完】


みんなが部屋に入ったところで……

「S組優勝!みんなで〜?」

「「「「「乾杯!」」」」」

すっごく大きい部屋……。

店員さんもびっくりしただろうな……団体客(しかもエリート高校の)。


「ねぇ、真麻……」

「えっな…に?」

しんみりした顔で話しかけてくる由良。

「カラオケ……歌うために来たんじゃないの?」

「…………」

そういえば…誰も歌わない……。

「みっみんな遠慮してるんだよ!マッマイク……あった!はい!曲なにうたう?え?」

パニック状態……。

「君が代……」

君が代ぉぉぉ?

「きっ君が代ね!あった!はい!」


………突然流れだす曲に、みんな一時停止。

誰がいれたのか、みんな私を見る。もちろん!私は全力否定し、由良を指した。

「君が代」を歌う由良。

………………。

終わったとたん……

「「「「「プッ」」」」」

「キャハハハ」

だの

「ワハハハハ」

だの、笑い声が……。

当たり前だよね……。

いきなり歌いだしたかと思えば……“国歌”だもんね。

「松川ないす!オラオラ!次、千年うたえー!」

「えっ俺?!」

なんつー強引さ。

次の曲は………

「「「アンパンマンマーチ…」」」

また笑い声があがる。


え……ちょっと……打ち上げ、超おもしろくない?!


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