*恋の味[上]*【完】


「はは〜ん、“勘”ねぇ……」

明らかにSの顔になってる。

「女の勘ってあたるじゃん?」

「勘かぁ、勘ねぇ」

なにこの、私が悪いことをしましたみたいな感じは!

「そうよ!悪い?」

「悪い!お前は俺のプライドを壊した!」

どうやら、コイツには“プライド”があったらしい……。

「え、じゃあ謝ればいいのね。すみませんでした(棒読み)」

「棒読みってうぜぇよなぁ。溝に顔突っ込んでやりてぇよなぁ。」

「すみませんでした」

本当にしそうな気がしたから、ここは大人になって一歩引いた。

はっ、男子ってガキね。

「顔がうぜぇ」

「は?もとからですけど」

「………チッ」

舌打ちしなくても……。

「で?なんなの?帰っていいわけ?私、暇人じゃないんだけど」

正直めんどくさくなった。


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