*恋の味[上]*【完】


つ……次こそ腹破裂事件おこしちゃう……。

「由良……もう無理…」

「私も……」

自分の限度なんか気にせずにバクバク食べた私達への罰だろうか……。

これじゃ、上手く動けやしない。

「由良なんじ?」

「12時ちょい」

「あーマジですか……帰りますわ」

「マジですかー、上野送りなさい」

「かしこまりました」


かしこまりまされて可哀想……。

「上野さん、すみません……」

すっごく、すっごく、申し訳ない気がしてならない。


「いえ、とんでもございません。由良様がお友達を連れてこられたのは初めてなので、とても嬉しかったんですよ。逆に感謝したいくらいなんですから」


………なんていい人!

よすぎでしょ!何?裏、表?


「由良は……友達いなかったんですか?」

「いや、いましたよ?ただ、どうも家で遊ぶことには全力拒否をしてらっしゃって……」

へぇ〜……。

なんか嬉しいじゃん。

「よければ、またいらしてくださいね。私が言える立場ではないのですが……ここのところ由良様は笑顔をしなくなったので……」

「あ、もちろんです!」

温かい人ばっかだな。

よし、お見舞いいくか!


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