*恋の味[上]*【完】
「605号室は3練ね。1・2が1練、3・4が2練、5・6が3練となって…「あのさ」
あ、話しの最中に……割り込んじゃった。
せっかく説明してくれたのに、申し訳ない…。
でも、こうなったら言うしかない……!
あーでも、直視できなーい。
つい、俯きになっちゃうけど……いう!
「あのね……、成功……したよ?……告白」
よし!いえた!
かんだけど。
…………。沈黙が続く。
な、なんか喋ってよぉ!
「………知ってたけど?」
………………は?
え、だって言ってないのに。
「噂だよー!学校のモテ子とモテ男のカップルなんてなったら、知らない人なんていないし」
「え!真麻ちゃん、彼氏できたの?!」
………看護師さん、盗み聞き。
「知らない人いたよ?」
「だって、学校の人じゃないし」
あ、そうか。
「真麻ちゃんの彼氏っていったら、相当イケメンなんでしょうね?」
「あったりまえよ!学年1位の男とだよ?」
あたしの変わりにアカリが答える。
「あらま!やるじゃない!」
「その彼女、学年1位の女、真麻と知り合いの看護師さんと友達のうちってすごくなーい?」
「私も鼻が高いわ!」
鼻高くしないで。
「あ、そろそろ行かないと!じゃ、看護師さん、バイバイ!」
なんかもう、勝手にしろって感じ。
なんで、アカリがこんなにハイテンションなのか、改めて分かったよ。