*恋の味[上]*【完】


「う゛………」

完食…しました。
お腹壊す!こんなに食べて。

「やっぱ、ケーキは最高ね!あの人が持ってきてくれたのよ」

「あの人……?あぁ」

あの人とは、お父さん。

離婚した……ね。


「ごめんね、まだ切れないの。真麻は、本当にお父さんに会いたくない?」

お父さんとは、もう3歳のとき以来会ってない。

「……まだ、会いたくない」

見せる顔がないの。

久しぶりって?そんなんいえない。

「そう……。お父さん、会いたいみたい」

…………?!

いや……嫌だ……。

「無理しなくていいわ。ただ、考えてはあげて?」

お母さんは私の表情で分かったんだろう。

「うん」

いつかは向き合わなくちゃいけないんだからね。

そう、お母さんの目が語った。


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