*恋の味[上]*【完】


「真麻〜?真麻ちゃーん?」

無視無視無視。

「何不機嫌なってんだよ」

チッ、逆ギレかよ。

「しらねっし!てか、なんでくるのよ!雷斗が来るならスクール水着にする!」

なんか、ちゃっかり家はいっちゃってさ!

私のボロい家にさ!

「おいおい、それひどくね?」

こっちのセリフなんですけど。

海いこ!って気になったら、異性がいるなんて。

「なんでくんのよー」

「彼氏だし?ま、正確に言うと誘われた」

由良、本気でムカつく。

「私いかない」

「は?」

ヤに決まってんじゃん。

「いかないったら、いかない」

何が嬉しくていかなきゃいけないのよ。

「んなこと言うなよ。俺、マジで一緒に行きたくて来たんだけど」

悲しそうな顔を浮かべる雷斗。

そんな顔されたって、太ったし……。

見せれる体じゃないもん。

「何で私が行かないといけないの?」

「は?んなもん、理由なんてねぇよ。一緒に行きてぇだけだ」

……………自己中が。

「わかったよ!行けばいいんでしょ?!」

どうせ、行くっていうまで帰らないんだし。


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