*恋の味[上]*【完】
私達4人と真田さん(運転手)で一台の外車様に乗った。
外車様の中は部屋みたいな感じで、前から買っておいた“お〜い、お茶”をのんでいた。
「真麻たちって、どこまでいったの?」
ぶっ
お〜い、お茶を吹いてもった!
「きったないわね!」
「あさちゃん汚〜い」
「きったねぇな」
「おいおい、汚さないでくれよ」
4人からの厳しいツッコミを受けた私。
仕方ないじゃん。
てか、真田さん本性だしてるけどいいのかな?
ま、いっか。
「拭きなさいよ」
あ、忘れてた。
いつの間にか真田さんのことになってたんだもん。
と、ぶつぶつ心の中で呟きながら拭いた。
ごめんね、外車様。
悪いことしてしまった、お詫びに“お外車様”と呼ばせていただきます。
「真麻、あなた現実を見なさい。真麻が言わないから暁くんに聞くわ。で、どこまで進んだの?」
「あー、大人の階段上り終えちゃった感じ?」
「嘘こけこけし」
まったく、なにをアピールしてんだか。
………みんなから冷ややかな視線を受けているのは気のせい?
「ほんと、馬鹿ね。嘘くらいわかるわよ」
あ、やっぱ?
なんで学年1位の私を馬鹿呼ばわりするのか分からない。
「私よりも馬鹿なくせに」
「精神年齢、真麻5歳よ」
ぴっちぴちの高1に失礼だな!
負け惜しみしよって……。
「お、俺らの存在忘れてない?」
突然、口出す千年くん。
あ、失礼か。
「忘れてた」
「ひっど!あさちゃんってクールなのか天然なのか分かんないよなー!」
ふはは、私をなめたらあかんで?
とか心の中で言っとく。