*恋の味[上]*【完】
「綺麗」
青く澄んだ海。カンカン照りの太陽には7月という夏を感じさせられた。
「にしても、凄い人ね。真麻、離れないでよ」
いや、携帯持ってるから大丈夫だし。
そんなに私頼りないかな?
「あ、あれ違う?」
指差す方には、海パンをはいてパラソルを組み立てる美形3人組。
パラソルが豪華すぎて、すぐわかるっつーの。
「ねぇ、あの人たち格好よくない?!」
「超タイプぅ〜」
なぁにが「超タイプぅ〜」だよ!
人気度半端ない。
「あ、2人とも!準備できたよー!」
満面の笑みを私たちにむける千年くん。
その後ろには、パラソルの下で座る、あきらかに不機嫌そうな顔をする雷斗。周りの女の子に愛想ふりまく、女タラシ二重人格、真田さん。
「やっぱ人多いわね。貸し切りにしとくべきだったかしら」
でたー、お金持ち発言。
「えー彼女もちー?」
「しかも、美人だし!無理無理。違う人さがそ」
由良は誰もが認める美人なんだよ。