長ズボンの暇潰し

あい

変わらないモノなんてないんだって
君がつまらなさそうな声で呟いた
公園のベンチで2人
君は下を向いていて
表情が見えないけど
きっと悲しい顔をしていて
道端の石を蹴っていた
なんて声をかけたら良いか分からず
僕も思わず下を向く
僕らは絶対変わらないなんて
現実味のない
無責任な言葉は言えないし
だからってだろうねとも言いたくない
そんなことを
ごちゃごちゃ考えてると
沈みかけてた太陽は完全に沈んで
暗闇が僕らを包んだ

公園には僕らしかいなくて
夕方の賑やかさがなくなって
淋しそうだった

やっと顔を上げた君の表情はやっぱり
どこか悲しげで
不意に抱きしめたくなる
きっと抱きしめたって君の不安は拭えやしないけど
それでもさ
君が望んだ言葉は分からないから
ここから
僕の気持ちを汲み取ってくれないかい
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