見知らぬカレと同居生活!?
このままじゃ拉致があかず、
あたし達は大家さんに電話するコトにした。

~~プルル、プルル、プルル……
ガチャッ!
『はい、北沢です。』
大家さんの奥さんの声だ。

「あっ!大家さん!!
あたし、今日からコーポ、レフィナーゼでお世話になる小早川です!!
あの、担当して下さってた北沢さんは!?おじさんはおられますか!?」

『あぁ、お世話になります~。
あの人ねぇ、実は風邪こじらせて肺炎になって、今、入院してるのよ~。』

大家さん夫婦は、どちらも初老の70歳代で、おっとりした優しい夫婦だった。
相変わらず、おばさんは穏やかな口調だけど、おじさん入院って!?

「お、お、おばさん!北沢さん入院なさったんですか!?
だ、ダイジョーブなんですか!?」

あたしはちょっと泣きそうだった。
だって、このアパートの入居に際して、北沢さん夫婦はホントに優しく親切に面倒を見てくれたのに。
おじさんが入院だなんて!

「お、おば、おばさん……おじさんダイジョーブかなぁぁぁ……グスッ」

「ったく、何やってんだ!?ちょっと代われ、お前。」

携帯電話をスルッと取り上げられ、隣にいた、さっきの男の子が電話に出た。
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