4月の雪は溶けなかった
「あたし、せんせーのこと好きなんです。」
「………へ?」
その言葉に、せんせーはあたしの方を振り返って止まった。
「こんなこと言ったらせんせーが困ることわかってます。でも、今しか伝えるチャンスは無いと思って………ごめんなさい。」
好きですだなんて、一生言うこと無いと思っていたのに、なぜか驚くほど簡単に、すらすらと口から溢れ出た。
「…………」
せんせーは黙ってあたしを見つめている。
その沈黙が、あたしの思考回路をいつも通りのものへと軌道修正していく。
言うんじゃなかった…
だんだんと後悔の念が強まってくる。
「………せんせー、今のはなかったことにしてください!!だから、明日からもいつも通りのあたしとせんせーということで!!ね!?それじゃ、さようなら〜。おやすみなさい!!」
あたしは気まずかったので、無理矢理にでも帰ろうと、せんせーを置いて帰ろうと速足で歩き出した。