4月の雪は溶けなかった
「…………井上は俺にとって教え子だし、勤め先の生徒だ。でも、何か違うんじゃないかって思うこともしばしばあった。」
「…せんせー、それって………」
「あぁ、俺、井上に惹かれていってる。俺にとって他の生徒と井上は違うんだ。」
何か言いたいのに、やっぱり言葉が出ない。
「……俺、井上が好きだ。先に言われてしまったけどね。」
せんせーはそう言って微笑みながらあたしを抱き寄せた。
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