4月の雪は溶けなかった
マスクを外すと口の周りが涼しくなって、さっぱりした感じがした。
サングラスはまだ着けているけど、せんせーの口元が見えるようになり、いつも学校で顔全体を見ているはずなのに少しドキドキした。
見とれていることを気づかれないように、せんせーが何かを言う前に、あたしから話し始めた。
「せんせー、ここ来るの何回目だろうね。」
「ああ…もう十回以上は来てるよね。」
こんな話をしていると、店員さんが料理を持って来た。
「「いただきまーす」」
あたし好きな温かいカルボナーラはどんどんお腹を満たしてくれるし、目の前に大好きなせんせーがいるしで、あたしの心はほっこりした。