4月の雪は溶けなかった
「せんせー、おはよ。」
待ち合わせ場所の駅前のオブジェに行くと、せんせーはもう来ていた。
「おはよ。じゃ、行こうか。」
そう言いながら出された手を、あたしはすっと握って一緒に歩き出した。
ちなみにせんせーも、あたしほどではないけれど、変装のようなことはしている。
サングラスとマスク。
あたしがいなかったら不審者だと思われるだろう。
でも、そうまでしないとあたしたちのレンアイはやっていけない。
どうしても。
続けたいから。
隣にいたいから。