4月の雪は溶けなかった
ぎこちない日々




元カノの出現に、かなり動揺したけど、あたしは努めて今まで通りに過ごした。





せんせーも何も言って来ない。




あたしは巷で言う“めんどくさい女”には絶対なりたくないから、嫉妬やヤキモチは表に出さない。





時々、いや、正直に言うとしょっちゅう不安になるけど、いちいちせんせーにこの気持ちをぶつけても何にもならない。





どうしようもない時はせんせーに電話してしまう。



せんせーが浮気してるって心配なわけではないけど、声が聞きたいって思うから。





せんせーの優しい『おやすみ、またね。』っていう声であたしは穏やかな眠りにつける。







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