4月の雪は溶けなかった
ひたすらな日々
「おじゃまします…」
せんせーはあたしをせんせーのマンションに連れて来た。
何度か来たことのあるこの場所。
せんせーの匂いでいっぱい。
あたしは思わずリビングでしばらくたたずんでぼうっと部屋を見渡した。
「どうぞ、まあ座れよ」
せんせーはミルクティーを出してくれた。
ありがとう、とカップをとり、一口飲んだ。
お腹の中にじんわりと暖かさが広がる。
そして、少しの沈黙。
空気に耐えられず、もう一口、二口ミルクティーを飲んだ。
あたしはせんせーの言葉を待つことにした。
言いたいこと、聞きたいことはいろいろあるけれど、それよりせんせーの言葉の方が欲しかった。