4月の雪は溶けなかった





「もしもしっ!?せんせー、受かった〜!!!!」


3月の初旬、あたしは第一志望の大学に合格した。

「うん、本当良かった〜!!せんせーのおかげだよ。ありがとう!!」



古典はもちろん1年生の時からずっと得意。でも、あたしは現代文が苦手だったから、結局国語がなかなか伸びなくて困っていた。


せんせーに相談すると、俺が見てやるって言って、たくさんアドバイスしてくれた。


国語以外でも、あたしが行き詰まっていた時は励ましたり慰めたり、せんせーはあたしの心の支えだった。



「え!?明日?行きます行きます!!うん、じゃあねっ」



せんせーは、明日家に来いって言ってくれた。


もちろん即オッケーした。



家までの帰り道、冷たい風が興奮したあたしの頭を冷ましてくれる。





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