4月の雪は溶けなかった
井上瑞希様
まず始めに、卒業おめでとう。
あっという間の3年間だったことでしょう。俺もそうだったからな。
そして、ありがとう。
初めて瑞希に会った時は、まさか自分の彼女になるなんて夢にも思わなかった。
まあ、あえて言うなら、可愛い子だなぁ、とは思っていました。教師として最低だけど。
そして、瑞希が俺のところによく質問に来るようになって、だんだん好意を持たれていることに気づいてきてた。
でも、俺はあくまでも教師だし、瑞希が俺に好きだという態度をはっきり示していたわけじゃないし、気のせいだろうと思っていたんだ。
だけど同時に、俺は気のせいじゃなければ良いなって思うようにもなった。
そして、瑞希が俺に好きだと言ってくれた日、俺もだ、って確信した。
付き合い始めて、瑞希のこと大切にしようって思う気持ちがどんどん強くなった。
今でもそうだよ。ずっとこの気持ちは変わらない。
だけど、俺には瑞希の幸せを願うことしかできなくなってしまったんだ。