あんな。めっちゃ、だいすきです。
「…う、ううん!!ちょうど今終わったとこ!」
「ほな良かった。ちょっと外出てこおへん?」
え?…って思った。
ていうかいっちゃん、なんで電話。
今、バイト先で仕事しとるはずやん。
聞こえてきたのは、ブルンブルンて勢いの良いエンジンの音。
すぐ近く。
…窓の、外から。
急いでガラス戸開けて、ベランダに出る。
体乗り出して見下ろしたら、いっちゃんの黒いバイクが見えた。
バイクのヘルメットの下。
いっちゃんと目が合う。
…なんでおるん、いっちゃん。
目を丸くするウチに、ニカって笑ういっちゃん。
いっちゃんの口の形が、ゆっくりと4回動いた。
『ど・ら・い・ぶ。』
どらいぶ。…ドライブ。
「お迎えやん〜!みとも」
「ええよぉ〜別に行ってきても〜」
「ウチら、みともの悪口大会しとくしぃ〜」
「ええっ!?」
「あはは、うそうそ。行ってきぃみとも!また明日ねん」