あんな。めっちゃ、だいすきです。
「ソフトの帰りにな。夜景がめっちゃきれいやったから…みともと見たいなぁ思て。」
「うわ…うわぁ…めっちゃきれい!!」
「やろ。穴場スポットや思わん?」
「うんっ!!すごいっ!すごいなぁ!!」
思わずジャンプしてしまうほどはしゃぐウチに、嬉しそうないっちゃん。
ふたりしてベンチに腰かけて、ぼーっと街並みを見下ろす。
「あ、あれ。うちの近くにあるパチンコ店かな」
「確かに!看板の光の色ピンクやもんなぁ」
「じゃあ…家はあのへん?」
「あのへんちゃうかなぁ」
チカチカ、パチンコのピンクの光がまたたく。
いっちゃんの手が暗闇をまさぐって、ウチの手のひらを探す。
ふわって触れて、ぎゅって握られて。
…にやり。
思わず顔がゆるんでしもた。
「…いっちゃんてさぁ」
「ん?」
「けっこーロマンチストやんね」
そしたらいっちゃんはにっこり笑って、
「みともはポニョ子やんね。」
…って言うてきた。
思いっきし手ぇ振り上げるけど、すぐに手首つかまれる。