あんな。めっちゃ、だいすきです。
「いっちゃん。」
「ん?」
「…ウチやっぱり、看護師になりたいな。」
「……そっか」
「うん」
「………」
「………」
「…ほな、おれが入院したら看病したってな」
「…しゃーないなぁ。」
「うわ、なんかいきなり態度でかなった!」
「…ふふ。…けど、なぁ。できたら、入院せんとってな」
「………」
「ずーっと、元気ないっちゃんでおってな。」
「……うん」
夏の、こもったようなぬるい空気も、流れれば肌を冷やしてくれる。
でも心ん中は、お風呂のお湯につかっとるみたいに、ぽかぽかしてて。
ずっと、ずっと。
いっちゃんがウチのことを元気にしてくれるみたいに、ウチもいっちゃんをぽかぽかにできたらええな。
これからも、ずうっと。
「実習が終わったら、いっちゃんの好きなごはんつくるな。」
「お、ほんまに!?」
「なにがええ〜?」
「えー…っとなぁ……ほな、グラタン!!」
「りょーかい!チーズはたっぷりめですか〜?」
「たっぷりとろ〜り!でおねがいします」
「たっぷりとろ〜り!な!!太んでいっちゃん〜」
「え?それ、だれに言うとん?」
「…いっちゃんむかつく」
実習が無事終わって、合格点をもらえた次の日のこと。
晩ご飯にはりきって作ったグラタンが黒コゲになったんは…またあとの話。