あんな。めっちゃ、だいすきです。


「なんですぐ言わんのよ!?めちゃめちゃ一大事やないの!!」

「い…言おうと思ててん!でも言いだせんくて、どんどん言いづらなって…」

「………」

「…結局、バレたねんけど……」



…ダメだこりゃ。



半ば放心状態で、怒る元気もわいてこおへん。


黙って立ち上がり、充電器に差し込んでいた自分の携帯を取りはずす。


履歴から実家の電話番号をさがして、コール。


わかってはおったけど、ずっとプルルル…っていう電子音が続くだけで、一向につながらへん。


おかあさん、携帯持ってないしなぁ…。



また静かになる部屋の中。


…こんなんいきなり言われて、連絡もつかんくて。

一体どうしろゆうねん…。


立ちつくしてるウチの背中に、ふにゃっとした間の抜けた声が響いた。



「あのぉ〜……」

「…え?」

「ちょっとお手洗い借りてええかな?」



ぷっちーん。



その瞬間、頭の中でなんかがはじけた。


別におとうさんが悪いこと言うたわけやないけど、こんなんでキレるとかカルシウム足りてへんのかもしれへんけど!



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