あんな。めっちゃ、だいすきです。


そう言えばおとうさんに料理作るなんて、実家におった時はなかったもん。


おかあさんがいっつも作ってくれたし、手伝ってもカレーの肉いためるとか、そんなん。



「…仕事、なんかよさそうなんあった?」

「いや……」

「…そっか」



まぁ、そうやんな。アルバイトみたいに気軽に見つかるもんやないしなぁ。


おとうさん、言葉には表わさんけどほんまに疲れとるみたいやし。


この1週間は、ちょっとくらいゆっくりしてもええんちゃうかな、とか思ったり。


そんでふと、頭に浮かんだことを聞いてみた。



「…なぁ、おとうさんとおかあさんの出会いってどんなんやった?」

「〜ぬおっ!?」



聞いたこともないような、奇妙な声をあげるおとーさん。


…ぬおって。



「え……ええっと…」

「うんうん」

「…いやええわ、遠慮しとくわ」

「ふーん。居候してご飯作ってもらってるん、誰かなぁ?」

「………………。」






おとうさんとおかあさんの出会いは、まずは写真から始まったらしい。


おとうさんが、友達のアルバムから偶然おかあさんのこと見つけて、一目惚れしてもたんやって。


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