あんな。めっちゃ、だいすきです。
ずうっと、頭の中で同じものが回り続けてる感覚。
気が付いたら、窓の外に走るのは馴染みの風景やった。
車のナビってほんまにすごい。
住所入れたらバッチリそこまでつれてってくれるんやもん。
懐かしい風景。
ちょっと変わって、でも根本的には変わらへん。
ウチの実家もなかなかの田舎やけど、おばあちゃんちはそれよりもっと田舎。
ポツポツ見える田んぼに、ああ、おばあちゃんちに来たーって思う。
でも懐かしいのと同時にやっぱり、だんだん緊張してきて。
「あ、あれ見ておとうさん!!」
「…え?」
「まだあったんやな〜!昔あのおそば屋さん、親戚みんなでよく食べに行ったやんな!!」
年越しとか、あと親戚で集まった時の夕食はずっとここやった。
ここ数年はおじいちゃんが腰悪くして、おそばは家で食べるように変わったねんけどな。
「……ああ、うん…」
わざと明るい声で言ってみたりしたけど、おとうさんの返事はおざなりで心ここにあらずってかんじで。
…こんなんでほんま、おかあさんとちゃんと話できるんかな。