あんな。めっちゃ、だいすきです。



──ぴーんぽーん。



きれいに一回、チャイムの音が響いた。




「……………」




…留守かな?



そう思った時に、ドアの向こうでぱたぱたと近づいてくる足音がした。


その足音はドアの前で止まり、ガチャっと鍵が外される。


ゆっくり開いたその向こうに…

…久しぶりの、おばあちゃんの顔があった。



「あっ、おばあちゃ………!!」
「いません」



ガラガラっ、ピシャっ!!



「……………」

「……………」


「……………え?」



え。

いや。


いやいやいやいや。



完全にさっきいましたよね!?

顔出てきましたよね!?



「〜ちょ…っ!!おばあちゃん!?」



コンコンコン、てドアをノックするけど、ウンともスンとも返事ない。


…なんでよおばあちゃん!!


久しぶりに孫が会いに来たんやで!?

フツーやったら、よー来たね〜とか、おおきなって〜とか、綺麗んなって〜とかやないの!!



ゴンゴンゴン、

ゴンゴンゴン。



可愛くない音で思いっきり叩く。


…この状況からして、絶対おかあさんはおばあちゃんちにまだおる。



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