あんな。めっちゃ、だいすきです。






和室の中で、正座して向き合う。



まるで三者面談みたいなかたち。


おとうさんとウチがふたり、おかあさんを前にして。



く…空気がめっちゃ重たい…。


誰も何も口にせぇへんから、つば飲みこむのも緊張する。


たたみの目ばっかり見とったけど、チラっと顔上げて、おかあさんの方見た。



相変わらず無表情のおかあさん。



「……………?」



…あれ。


おかあさん、ちょっと痩せた…?



「〜あの!」



がばっ!と。


隣のおとうさんが、いきなり深く頭を下げた。



「…すまんかった。ほんまに反省しとるし、これからは絶対隠し事もせぇへん」

「………」

「…仕事も、頑張って見つける。せやから、おかあさん、も、戻ってきてくだひゃいっ!!」

「……おとうさん」



…最後の最後でかんだらあかんやろ。

ちょっと男らしいかなって思ったのに。



ふっと笑っておかあさんを見るけど…おかあさんの表情はかたいまんまで。


ウチの笑みも思わず引っ込んで、うまく引っ込みきらんかったのが、ひきつったみたいになって残った。



< 238 / 389 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop