あんな。めっちゃ、だいすきです。
パン──────ッ!!
気が付いたら、身を乗り出しておかあさんをビンタしてた。
手のひらが、痛い。
目の周りもじんじんして。
…熱くて。
「なに…っ、なんでそんなん言うん!?おかあさん、なんで…っ!?」
「〜みとも!!」
「なんなん!?ずっと連絡とれんで、こっちまで来てみたら…死ぬ、とか、なに───っ、」
おとうさんに引き戻されて、その勢いで後ろに転げる。
お尻を打ち付けたその瞬間、右目からつーって、涙が流れた。
冷たい。
でも頭ん中は熱くって。
冷たいのんと熱いのんで、もうごっちゃで。
おかあさんはうつむいてて、その顔は見えへん。
じょじょにぼやけてきて、どんどんぼやけて。
…なんにも、見えんくなる。
「───みとも。」
低くて、落ち着いた声と一緒に。
ウチの肩に、分厚い手のひらがのっかる。
おとうさんは、めっちゃ真剣な顔で、くちびるをギュって結んだあと、言った。
「…ちょっとおかあさんと、ふたりで話させてくれへんか。」