あんな。めっちゃ、だいすきです。



…びっくりした。


びっくりなんてそんなもんやなかった。



だって信じられへんかった。



だっておとうさんのこと許してもらおうって思って、

しゃーないから娘のウチが間に入って頑張らなって思って、


ここまで来て、いきなりそんな話聞かされるなんて思ってなくて。



…ウソやろ?



だっておかあさん、この前帰ったときフツーに元気やったやん。


ホットケーキ食べたい〜とか子どもみたいなワガママ言うて。


卵買ってって〜とか、おとうさんに用事押し付けとったやん。



おかあさんがガンとか、




死んでまうかもしれへんとか…ウソやろ?



なんでそんなウソつくん。


おかあさんのアホ。




…あほ。




わああああああん。
わああああああん。



いっちゃんの腕の中。


赤ちゃんみたいに、声上げて泣いて。



…そしたらやっと、息が吸えた気がした。



おかーさん、おかーさん、おかーさん。



心の中で呼ぶのと、とくん、とくん、ていっちゃんの心臓のおとが重なる。



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