あんな。めっちゃ、だいすきです。
─ウチといっちゃんは夕方の内に車に乗り込み、おばあちゃんちを後にした。
おとうさんはおばあちゃんちに今日は泊まって、また家に戻ることとかを話し合うらしい。
おかあさんのことは心配やけど、おばあちゃんも助けてくれるから。
入院の日取りが決まり次第、もっかい帰ろうと思う。
帰りの車では、泣き疲れたんかすぐ寝てしもてて。
「みとも、ついたで」
…そうやっていっちゃんに起こされた時には、もうマンションの下やった。
もう結構遅かったから、車はまた明日戻しにいくわぁって。
いっちゃんは近くの駐車場に車を止めて戻って来た。
指をくんで、大きく背伸びする。
「んーっ!!涼しくてきもちええな」
「うん」
いっちゃんはウチの手をとって、ニカって笑った。
「…ちょっと散歩しよか。」
いっちゃんの言葉にうなずいて、マンションを背に夜道を歩く。
…すっかり慣れた景色。
地元とはまた違う安心感が、こっちにもある。
「…また今日からふたりになってもたなー。」
「…うん」