あんな。めっちゃ、だいすきです。


いっちゃんにおっきい声って、出されたことないなぁ…。



「おかあさん、ほんまに家のこととか…大丈夫なん?なんかウチできることとか…ないかな。」

「なーに言うてんの!大丈夫大丈夫っ!!」

「でも……」

「みともが心配することなんかなんもないから」

「……っ、近いうちにもっかい帰るな!っていうか今週末帰るっ!!」

「あーあんなぁ。その件やけど。」



おかあさんはのんびりした声で、こう続けた。



「おかあさんそっちいこかなーて思って。」

「へ」

「やから、みともんとこ行こうかな〜って思って」

「……えええ!?何言うてんの?だっておかあさん───」

「だーいじょうぶやって!症状は落ちついとるんやし!!どうせ入院までなんもすることないし」

「………う…」



…それはそうなんかも、しれんけど。



「入院したらしばらくずっと外出れへんし、遠くには行けへんやんか」



動いた方が気もまぎれるし。


…いや。でも。


久しぶりに街出てみたいし。


…いやいや、でも。



否定の言葉ばっか使ってみたけど、おかあさんは行く!ってつっぱね続けて……その結果。



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