あんな。めっちゃ、だいすきです。
「はじめまして!僕、みともさんと同じ大学で4年の、志波育といいます。3年生の時からおつきあいさせてもろてます」
てっぺんが見えるくらい、頭を下げるいっちゃん。
おかあさんはぼけーっといっちゃんの顔を見たあと、店内に入ってはじめて、やっと口を開いた。
「こちらこそはじめまして!私、みともの母親の岡野智華と申します。いっちゃんの話はみともからよー聞いてました」
おかあさんも気合の入ったよそゆきの笑顔。
しかも、とおかあさんは話を続ける。
「…ウチのおとうさんまでお世話になって。いっちゃんと仲良くなった〜ってあの人、めっちゃ喜んどって」
「ああ!いえこちらこそ!!釣りとかも付き合ってもろて、僕もめっちゃ楽しかったです。お父さんお元気ですか?」
「あー、あいかわらずぽにょぽにょしとるわ」
ははっていっちゃんが笑ったとき、奥から志波〜って、いっちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
「ごめんな、ちょっと行ってくるわ」
「ううん!忙しいときにきてごめんな」