あんな。めっちゃ、だいすきです。



おとうさんでも怒ったくらいやもん、おかあさんに知られたらもうこれは────



「…ま、おかあさんは反対せぇへんけど」

「えっ」

「せやけどさぁ、せっかく医学部入ったんやったらなんで医者のたまご捕まえへんかってん。将来玉の輿やで」



冗談っぽく言うおかあさんに、拍子抜け。


あのおとうさんでもめっちゃびっくりして、大声はりあげたくらいやのに。



…おかあさん、絶対そのことに関しては怒ると思っとったから。



「でもやっぱずるいわぁ〜、みとも。あんな男子と一緒に住んどるとか」

「…………おかあさん…」

「ゆうとくけどなぁ、今はかっこよかっても将来ハゲかデブやで。いっちゃんは将来うちのお父さんにな〜る〜」

「…変な呪いかけるんやめてか。」








いっちゃんはその後、店長に頼んで休憩もらえたみたいで。


制服から私服に着替えて、ウチらの座っとる席に会いにきてくれた。


最初は3人とも緊張しとったものの、2言3言かわす間にあれよあれよとうちとけてって。



おとうさんのときも思たけど…さすが、いっちゃん。



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