あんな。めっちゃ、だいすきです。
あのゴーイングマイウェイおかあさんともめっちゃ仲良さげになってるし。
…その社交的技術、ウチも見習いたい。
「いっちゃんソフトの試合、4番バッターやったらしいやん!?高校時代はやっぱ甲子園目指してたん?」
「そうですねー。野球一本な高校生活やったんですけど、あと一歩で甲子園は届かんくって。せやから高校んときは坊主でしたよ」
「坊主見たい〜!な、今度そん時の写真持ってって!!なっ!?」
…ほらな。
ウチだけ会話おいてけぼりやんか。
いっちゃんの坊主なんか、ウチも見たことないがな。
休憩ゆうてもあっという間で、いっちゃんはすぐに着替えて厨房に戻って行った。
ウチとおかあさんもカレー食べ終わって、そろそろ出よかぁな雰囲気になったとき。
いっちゃんがしゅばばっ!って素早い動きでこっち来て、カタン、て。
…ストローのささった、ふたつのアイスコーヒーを置いてくれた。
「サービスです。みともも、おかあさんもコーヒー好きって聞いとったから」
人差し指を口の前にたてて、いたずらっぽく笑う。
「…あ、店長には内緒ですよ」