あんな。めっちゃ、だいすきです。


あのゴーイングマイウェイおかあさんともめっちゃ仲良さげになってるし。


…その社交的技術、ウチも見習いたい。



「いっちゃんソフトの試合、4番バッターやったらしいやん!?高校時代はやっぱ甲子園目指してたん?」

「そうですねー。野球一本な高校生活やったんですけど、あと一歩で甲子園は届かんくって。せやから高校んときは坊主でしたよ」

「坊主見たい〜!な、今度そん時の写真持ってって!!なっ!?」



…ほらな。

ウチだけ会話おいてけぼりやんか。


いっちゃんの坊主なんか、ウチも見たことないがな。




休憩ゆうてもあっという間で、いっちゃんはすぐに着替えて厨房に戻って行った。


ウチとおかあさんもカレー食べ終わって、そろそろ出よかぁな雰囲気になったとき。


いっちゃんがしゅばばっ!って素早い動きでこっち来て、カタン、て。



…ストローのささった、ふたつのアイスコーヒーを置いてくれた。




「サービスです。みともも、おかあさんもコーヒー好きって聞いとったから」



人差し指を口の前にたてて、いたずらっぽく笑う。



「…あ、店長には内緒ですよ」



< 276 / 389 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop