あんな。めっちゃ、だいすきです。
「…はい?」
「やからぁ〜、どのパーティードレス着ようかなって」
…なんでそんな気ぃ早いん。
「っていうか、親族ってパーティードレスやなくて着物ちゃうん普通?」
「えーっ、いややー。おかあさんもかわいいの着たいもーん!」
くるくる表情変えながら、店ん中を歩き回るあかあさん。
パッと顔が輝いたか思たら、かけられてる服ん中からそのうちの1着を手に取る。
「──これめっちゃかわいい!!」
自分の体に合わせて、にこぉって笑うおかあさん。
「みとも!値段当てしよ値段当てっ!!」
「え〜?1万2千円、くらい?」
「1万2千円な!じゃあ正解発表〜!!さーて…いくらでしょーかっ!?」
じゃじゃん!
「……………。」
「……………。」
効果音つきでひっくり返された値札。
よ…よんまんろくせんえん………。
そんだけあったら何が買えるんですか。
「ちょ、でもこれおかあさんにめっちゃ似合わん?」
全身鏡の前で服合わせて、くるくる回ってるおかあさん。