あんな。めっちゃ、だいすきです。
「誕生日、おめでっと〜う!!」
パーン。
パパーン。
クラッカーのはじける音と、ちょっと煙たい独特の匂い。
目を開けると、テーブルには彩られたホールケーキがどどーんと構えてた。
白いクリームの土台の上。
ハート型に並べられたマーブルチョコに、ろうそくがわりのポッキー。
「うわ〜、みんなありがとう〜!!」
めっちゃ幸せそうなんが、さっぺの顔にじわぁてにじむ。
「さっぺも、もう22歳やで!!仲間仲間っ!」
「はよ食べよ食べよ〜!!包丁は?」
「めんどいからお箸でええやん!はい、みんなつっつけ〜!!」
たくさんのお箸がいっせいに動いて、あっという間にケーキの原型がくずれてく。
真ん中にチョコペンで書かれた“HappyBirthdayさっぺ”の字が、すでに“ppyBirthdぺ”しか残ってへん。
…あ、「ぺ」が食べられた。