あんな。めっちゃ、だいすきです。
よつばいになって、テレビ台のとこまで近寄って。
引き出しをごそごそ探って…あるものを取り出した。
「じゃじゃーん!」
いっちゃんの顔の前につきつけたら、いっちゃんはねころんだまま目ぇ丸くして。
「え……なに?これ」
「アルバム。」
実は、な。いっちゃんに渡したいなぁって思って。
ずうっと前に印刷しとった写真。
前からちょこちょこ、いっちゃんのおらん時にな。こっそり作っててん。
切ったり貼ったり、かきこんだりして。
当時の思い出とか。出来事とか。
一緒に体験した、楽しかったできごと。
めっちゃ厳選したつもりやったのに、だいぶ分厚いアルバムになってもたけどな。
いっちゃんはキラキラした目で、嬉しそうにアルバムを手にとる。
「うっわ!めっちゃうれしい!!見てもええ!?」
「うん」
「ってか一緒に見よ!すごいなぁ、いつのまにこんなん作っててん!!」
起きあがったいっちゃんがベッドふちに腰掛けて、「ん。」て、手を広げて。
いっちゃんっていう囲いの中に生まれたウチの分のスペース。