あんな。めっちゃ、だいすきです。
…仕事、なぁ。
ウチももうすぐ、春からは新しい環境や。
どんな雰囲気なんやろな。
どんな人がおるんやろな。
…働きやすい職場やと、ええなぁ。
「ウチも頑張らなな!夜勤とかって慣れるもんかなぁ」
「…みとも、ほっといたら昼過ぎまで寝とるもんな」
「それおとうさんやろ!!」
ふたりそろって、あと5分〜って布団にもぐって。
それをたたきおこすおかあさんは、ウチとおとうさんの目覚ましやったもんね。
…でもひとり暮らししてからはちゃんと起きれるようなってんで?正確にはふたり暮らしやけども。
人間って、自分でせなアカンようになったらどうにかなるもんやねん、きっと。
やから、夜勤もどうにか体が順応してくれるはず。…きっと。
─ええかげんにしーよアンタらっ!!
ふたり分の布団をはぎとるおかあさんを思い出してふふ、て笑ったら、おとうさんもおんなじように笑ってた。
新幹線が動き出して、さっき寄せたばっかりの紙袋がまたウチの足の方にずれてくる。
袋の口がぱっくり開いて、中になんやら、丸いもんが見えて。
「…これなに?」
「あっ、そ…それは…!!」