あんな。めっちゃ、だいすきです。
いっちゃんのバイクに乗る時もこの距離やねんけど、なんか。
なんかわからんけど、こっちの方がドキドキした。
きっと、触れ合う面積がこっちのがおっきいから。
「…なぁ、いっちゃん」
「ん?」
「今日な、めっちゃ楽しかった!!」
はじめての、ダブルデート、みたいなそういうの。
満面の笑みでそう言ったら、いっちゃんもめっちゃ嬉しそうに「俺も」ってゆうて笑う。
「なんかな。いつもと違ういっちゃんも、いっぱい見れたなぁって思って」
「え、俺そんな違う?」
「うん、なんかちゃうねん。」
いっちゃんがウチが知らん男友達とおるとこって、初めてちゃんと見た。
ふたりっきりの時とは違って、すごく男の子ってかんじやった。
無邪気っていうんかな。どういう例えが1番ええかわからへんけど。
今まで、結構いっちゃんのいろんな面見てきたなって思ってた。
もう全部知ってるんちゃうかな〜って思ってた。
けどまだまだ知らんとこ、いっぱいあったんやなぁ…。
押しつけた鼻先。
じんわり、あったかいのが伝わってきて。
ウチより、やっぱりいっちゃんの体温の方があったかくって。