あんな。めっちゃ、だいすきです。
そんなん恥ずかしいし、絶対イヤやってゆうたはずなんやけどな。
っていうかおとうさんにも彼氏おること言うてないし!
実家は、ウチが大学に通っとる下宿先から2つの県を飛び越えたとこにある。
帰ってきたんはほんまに久しぶりやのに、やっぱり匂いは慣れたもんで。
「あっつ……」
重い荷物を実家の床に転がして、自分も一緒に床にごろんてなる。
荷物、いっつもデカなるねんな。
ちっちゃくまとめるのへたくそやねん。
ポケットから携帯を取り出すと、さっそくいっちゃんにメールした。
『いっちゃん、無事ついたよ。』
いっちゃんへのメールは、いっつも短い。
たまにめっちゃ意味ない、変な絵文字だけ送ったりする。
いっちゃんも、気持ち悪い絵文字を送り返してくれる。
──送信しました──
画面を見ながら、ふと思った。
…こんな遠い距離からメール送るって、あんまなかったなぁ。