あんな。めっちゃ、だいすきです。



もうすぐ日付変わる。



記念日かぁ…1年と、半年。もうそんなにたつんや。


いっちゃん、覚えてないやろなぁ…。

ウチも、すっかり忘れとったし。



付き合うまではいろいろあったけど、付き合ってからもいろいろあったけど。


そんなのを全部通り越して、今はすごい落ちついとる。


いっちゃんが彼氏で、ウチが彼女。

それがしっくりあてはまるねん。



─ピロリロピロリロピロリン。



そん時、いきなり耳元で携帯の着信音が鳴り出した。

思わず口にくわえてたポッキーが、床に落ちる。



「うわ…っ、はいっもしもし…!!」



あわてて拾いながら、携帯を肩にはさんで出る。


そしたら、耳元におなじみの声が聞こえてった。



「みとも。今まだアヤちゃんの家?」



…いっちゃん?



「えっ、うん。どしたん!?」

「あ、誕生会まだ終わってへんかった?」



振り返ったら、みんながめっちゃ近くにおって聞き耳をたてとった。


みんな口パクで、「おわった!おわったって言え!」てゆうてる。


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