初恋
柚羅(なんで私、こんなに落ち着いてるんだろう…。)
蓮「熱は無いみたいだな。」
蓮はそう言うと、柚羅のほっぺから手を離した。
柚羅「う、うん…。あ、ありがと…、」
柚羅(手…、離して欲しくなかったな…。)
柚羅は落ち込んでしまい、下を向いてしまった。
柚羅(わ、私、なに思ってんの?!私は、コイツがキライなのよ?!)
柚羅は頭をブンブンと横に振り、ほっぺを両手で叩いた。
蓮「ハハッ。」
柚羅「??」
柚羅はなぜか笑っている蓮を不思議そうに見た。
それに気づいた蓮は、笑いながら柚羅の顔を見た。
蓮「お前、おもしろいな。」
柚羅「ど、どこがよ。」
蓮「お前、1人で顔真っ赤にして、俺が触ると、また真っ赤になって急に落ち込んだと思ったら、ほっぺ殴ってるし。」
柚羅「き、気づいてたの?!」
蓮「そんなに反応がウブなら、誰だって気づくわ。」
柚羅「そ、そんなぁ。」
蓮「お前、ほんとに恋したことないんだな。」
蓮は机にひじをつき、不適な笑みを浮かべながら、柚羅にそう言った。
柚羅「う、うるさいっ…。」
柚羅は蓮の笑みを直視することが出来ず、視線を逸らした。
蓮「柚羅、こっち向けよ。」
その言葉を聞いて、柚羅の心臓はより一層ドキドキと大きく動いた。
柚羅(し、心臓うるさい…。)
柚羅は真っ赤になった顔のまま蓮のほうを見た。
蓮「柚羅、俺に惚れた?」
蓮はまた不適な笑みを浮かべ、柚羅にそう言った。