初恋
蓮「それより…」
ガタンッ
蓮は、ダルそうに席から立ち上がり、両手をポッケに入れて、柚羅に近づいてきた。
柚羅(ヤ、ヤバッ、もしかして睨んでるのバレた?!)
柚羅は、ジリジリと後ろに下がった。
それに合わせて蓮も近づいてきた。
ドンッ
柚羅(ど、どうしよう。もう後ろに下がれなくなっちゃった。)
後ろに下がれなくなった柚羅を蓮は、勝ち誇ったように見下ろし、ゆっくり柚羅に近づいた。
そして2人の距離は間近になった。
ドキドキ…ドキドキ…
柚羅(わ、私、なんでこんなヤツにドキドキしてんのよ。)
蓮は一心に柚羅を見つめていた。
柚羅「な、なに?」
蓮「あんたさぁ…。」
蓮は眠たそうな顔をしながら言った。
蓮「俺のこと嫌いだろ。」
柚羅(ドキッ!)
蓮「図星だな。」
柚羅「そ、そんなことは…。」
蓮「嘘つくなや。顔に書いてあるぞ。」
蓮は柚羅から離れて、窓の外を眺めていた。
夕日が眩しいのか、目を細めた。
柚羅はどうしていいかわからず、オドオドしていると、蓮が柚羅のほうに向き直って、目を細めたまま柚羅を見つめ、ゆっくり口を開いた。