初恋
ガラガラッ
柚羅「おっはよー!」
柚羅は元気よく教室の扉を開けた。
瑠華「今日も元気だなぁ(笑)」
柚羅「やっぱ、元気が一番っしょ。」
柚羅はニコッと笑って、Vサインをした
理沙「柚羅しゃんのテンションにはついていけませ〜ん。」
理沙は、ポンパドールを作りながら鏡と格闘していた。
蓮「おい。」
瑠華「あ、れ、蓮。お、おはよ。」
蓮「あぁ、おはよ。じゃなくて、おい。」
理沙「ゆ、柚羅しゃん、呼ばれてるよ。」
柚羅「えぇ??」
柚羅は、理沙に言われて初めて自分が呼ばれていることに気がついた。
蓮「お前、俺が何度も呼んでるんだ、気づけよ。」
柚羅「あのねぇ、おいじゃわからないの。私には、大野柚羅っていう名前がちゃんとあるんですー。名前で呼んでくださいねー。」
柚羅は、また蓮を小ばかにしたように言った。
蓮は、しかめっ面をして柚羅に言った。
蓮「お前…。友達少ないだろ。」
柚羅(カチンッ)
柚羅「お、大きなお世話よ!!」
瑠華「あ、あの、蓮、なんか用事があったんじゃない??」
瑠華が、このままでは、らちがあかないと思ったのか間に入ってきた。
蓮「あ、そうだ。今日の数学のノート貸してくれよ。」
柚羅「はぁ?なんであたしが貸さなきゃいけないのよ。」
蓮「いや、なんとなく。」
柚羅(なんなのよ、コイツ〜。)
蓮「いいから貸してくれよ。宿題やってねぇんだって。」
柚羅「い・や・だ。」
蓮「ったく。ケチな女だな。だから、彼氏も出来ねぇんだよ。」
柚羅「そ、それは余計よ!!」
柚羅は、理沙にグチグチ文句を言い始めた。
瑠華「れ、蓮、私のでよければ貸すけど…。」
蓮「あー…。いいわ。やっぱ、自分で解かんと意味ないしな。」
瑠華「あ、そ、そうだよね。」
蓮「ありがとな。」
瑠華「う、ううん!」
蓮は瑠華にお礼を言うと、自分の席へと戻って行った。
それを瑠華はじっと見つめていた。