月光歌
「あら!可愛いじゃない!!それで大人しくしててね!」
語尾きハートでもついてそうな言い方だ。
「おお!梓!やっぱり、やればできる子だったんだな!可愛いぞ!」
なんか2人とも若干酷くない?
「準備は出来たんだな?じゃあ後5分ほどしたら出るぞ!」
そう言うお父さんはスーツをビシッと着ている。
本当に今日は今から何があるんだ?
「…いやちょっと待ってよ!茅は?一緒に行かないの!?」
「だって茅は部活だろ?それに今日は遅くなるそうだから。」
榎本茅(15才)
バスケ部。私の弟で年子。
「え~残念。そうなんだ…。」
「そんなこと言ってるうちに時間だぞ!早く行こう。」
そう優しく笑う父に私と母は着いて行った。