シュガーズ
a loner
はしゃぎ声
みんなからの目線
「……はぁ」
クラス替えはこれだから嫌い
昨日も遅くまでバイトだったし
今日もこれからバイト
忙しいから放課に寝てるのも理由の1つだけど
メインはそっちじゃない
経験上
誰にも話しかけてほしくないときには
寝てるのが1番だと思う
音楽聞いてたら人の顔見なきゃいけないし
本読んでたら人の声聞かなきゃいけないもん
……なんか面倒
「衣都姉ちゃんっ」
「お待たせ 眞子(マコ)」
「眞子ちゃん じゃあまた明日ね」
「さようなら 先生」
笑顔で手を振る眞子の右手をとる
先生に軽く会釈をして保育園をあとにする
「今日ね おゆうぎ会の練習したのっ」
「そっかぁ」
「眞子ね お姫様やるんだよ!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねる眞子が転ばないように
ゆっくり歩調を合わせる
妹はまだ5歳
「衣都姉ちゃん 今日もお仕事なの?」
「うん ごめんね 眞子」
頭を軽く撫でる
眞子は寂しそうな顔を隠して笑った
「眞子は1人でも平気だよっ もうお姉ちゃんだもん」
「……ごめんね」
あたしと眞子は今
2人で暮らしている