シュガーズ
「澪梨ちゃん」
体育が終わって更衣室に行く途中
廊下で芽依ちゃんがあたしを待っていた
「あのね 話があるの」
「なぁに?」
早いな
もう謝る気になったんだね
これからもあたしの手駒になってね
とびきりの笑顔を芽依ちゃんに向ける
「あたしね……」
「うん♪」
「澪梨ちゃんとは もういられない」
「………え?」
予想外の言葉
自分の顔が引きつるのがはっきりわかる
「それだけ」
「………。」
それだけ?
芽依ちゃんはいつもみたく俯いてなくて
真っ直ぐあたしの目を見てそう言った
「どうなっても知らないよ?」
「いいよ」
「他にあんたの居場所なんかないでしょ?」
芽依ちゃんを睨む
なんであたしの言うことが聞けないの?
あたしに逆らうの?
「泣ける場所 見つけたから」
「……はァ?」
「もう背伸びした付き合いはしたくない」
芽依ちゃんはあたしの横を通り抜けた
「……意味わかんない」
さっきまであんな顔してなかったじゃん
あたしの横にいたほうが得に決まってるのにバカな女