シュガーズ


「澪梨ちゃん」



体育が終わって更衣室に行く途中

廊下で芽依ちゃんがあたしを待っていた



「あのね 話があるの」

「なぁに?」



早いな

もう謝る気になったんだね



これからもあたしの手駒になってね



とびきりの笑顔を芽依ちゃんに向ける



「あたしね……」

「うん♪」



「澪梨ちゃんとは もういられない」

「………え?」




予想外の言葉

自分の顔が引きつるのがはっきりわかる



「それだけ」

「………。」



それだけ?


芽依ちゃんはいつもみたく俯いてなくて

真っ直ぐあたしの目を見てそう言った




「どうなっても知らないよ?」

「いいよ」



「他にあんたの居場所なんかないでしょ?」



芽依ちゃんを睨む



なんであたしの言うことが聞けないの?

あたしに逆らうの?



「泣ける場所 見つけたから」


「……はァ?」


「もう背伸びした付き合いはしたくない」





芽依ちゃんはあたしの横を通り抜けた




「……意味わかんない」



さっきまであんな顔してなかったじゃん


あたしの横にいたほうが得に決まってるのにバカな女



< 108 / 287 >

この作品をシェア

pagetop