シュガーズ
「澪梨ぃ あたしの髪の毛やって」
「わかったァ」
後ろからの声に橘さんが答える
「じゃあね」
にっこり笑顔を作ってあたしたちに背を向けた
なんか
かわいさの質が違う
「………。」
芽依ちゃんがあたしの袖をぎゅっと握った
「……大丈夫?」
「平気」
少し前まで同じグループにいたのに
橘さんたちと今はほとんど口を聞いてない
「あたし……澪梨ちゃん 恐い」
「………。」
芽依ちゃんの右手を優しく握る
「大丈夫だよ」
変わったのは周りだけじゃない
あたしだって変わった
人間関係はやっぱり苦手だけどもう逃げない
信じられる人ができたから
ちゃんと向き合っていこうと思う
「教室の準備 行こ」
「……うん」
あたしの言葉に芽依ちゃんが大きく頷く
今はもう独りじゃない
あたしの言葉を伝える相手がちゃんといる
そばにいてくれる゙友達"がいる
「ギャル 衣都」
「………。」
先に教室の準備をしていたハル君があたしの姿を見るなり言った
「似合うじゃん」
「……ありがと」
あたしにきっかけをくれだ友達"