シュガーズ
その後も芽依ちゃんの話を聞いて
あたしは最後まで何も言ってあげられなかった
彼女の話を聞いてあげることしかできなかった
無力だと思う
「ごめんね」
「……ううん」
「衣都ちゃんの前では泣いてばっかだ」
芽依ちゃんは笑った
暗くなった帰り道を眞子と手を繋いで歩く
゙『好き』って言われて揺れてる自分がいる"
そういうものなのかな?
すき スキ 好き
それが恋愛なのかな?
初めて意識する
あたしに向けられてきた言葉
ハル君にも 秦野君にも言われた
2人の゙好き"と
芽依ちゃんが元彼から言われだ好き"と
あたしが友達や早苗さん
「衣都姉ちゃん」
「なぁに?」
「楽しかったね」
「………うんっ」
眞子に向けて感じる気持ちは同じなのかな
どれが恋愛で
どれがそうじゃないかなんてわかんない
わかるわけないじゃん
「あれ 衣都?」
「………あ」
街灯に照らされてはっきりと映る ハル君の姿
あたしの横で自転車を止める
「どうしたの?」
「芽依ちゃんの家に行ってたの」
「そっかぁ」
笑顔
この気持ちば好き"?