シュガーズ


「ないよ」


そういう環境にいたことないもん



付き合ったりする人ってほんの一部

学校の中のいわゆる上層階級の人たち


特別 可愛い

橘さんみたいな………



「ふーん」


あたしたちは1人分の距離をあけて歩く




「……秦野君は?」

「あるよ」



あるんだ

なんか意外だった



「なんかすごいね」



素直に感心



「ちなみにね」



あたしには考えられない世界だから



「ハルもある」

「………。」


考えたことなかった



そうだよね

あんなにモテるんだもん

彼女の1人くらい いたことあるよね……



「今は?」


どうなんだろ……



「いないよ」


俺もハルもね


秦野君は付け加えた



「好きなやつはいる」

「………そっか」




なんか複雑

あたし 自分がどうしたいのかわかんないや




「知永なんだけど」

「……え?」

「俺の好きな人」

「………。」




橘さんの言葉が蘇る

うそ……



「俺と付き合うとか考えらんない?」

「………えっと」



立ち止まる



「゙友達"だよね?」

「゙トモダチ"だよ」


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